就業の場所・従事する業務の内容(労働条件の通知)

 会社は、従業員との労働契約の締結に際しては、(本規則を交付 or 雇用契約書を締結するとともに、)次の各号に掲げる事項を含む労働条件通知書を交付する。
 ・雇入れ直後の就業の場所及び従事する業務 (その他の事項は省略)

 最初が肝心とは言いますが、労基法§15Ⅰ・労基則§5Ⅰに定める「労働条件の明示」についても、労基則の文言をそのまま使用すると、従業員さんと行き違いが生じる場合があります。

 「就業の場所及び従事する業務(以下「就業の場所等」と略します)」として、「○○支店勤務を命ずる」とか、「△△課勤務を命ずる」などとだけ書かれていれば、『私は○○支店(△△課)限定で採用された』と思い込まれてしまうことがあるのです。

 

 ここで行政解釈を見てみましょう。

(就業の場所及び従事すべき業務に関する事項)
 雇入れ直後の就業の場所及び従事すべき業務を明示すれば足りるものであるが、将来の就業場所や従事させる業務を併せ網羅的に明示することは差し支えないこと(H11・1・29基発45号)。

となっていますので、勤務地や職務に限定のない従業員さんの就業の場所等については、最初の配置にかかるものとはっきりさせてしておくのが無難ということになります。

 

 労働契約と就業規則の優劣関係

 『いやいや、ウチの会社は就業規則で「(正社員は)就業の場所等は限定しない」と、ちゃんと決めてあるから大丈夫!!』と思われる方もあるかもしれません。

 ですが、労働契約法においては、

労働契約法 第 7条 労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意していた部分については、第12条に該当する場合を除き、この限りでない

第12条(就業規則違反の労働契約) 就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については、無効とする。この場合において、無効となった部分は、就業規則で定める基準による。

となっていますので、交付された「労働条件通知書」等を盾に、例えば『私はこの通り○○支店(△△課)勤務の約束で採用された!!』『この通知書は労働契約法§7但書の合意にあたる!!』などと主張されれば、有効に反論することは骨が折れそうです。

 労働条件通知書をネットからダウンロードなどして使っている場合、その多くは「以上のほかは、当社就業規則による」などと一番最後に書かれています。ということは、「労働条件通知書に書かれていることは、就業規則に優先する」と読むのが素直な解釈とも言えますよね?

 ですので就業の場所等の通知は、冠に「雇入れ直後の」と挿入することを原則とし、逆に限定正社員さんの場合などは、(この「雇入れ直後の」という文言を入れず、)「○○支店勤務限定」「○○課勤務限定」などと記載することをお勧めする次第です。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA